期待以上に人を動かす伝え方/沖本るり子著/かんき出版

書評

「言ったつもり」は言ってないのと同じ

ときどき耳にするフレーズだ。
似たようなもので「相手に届かない挨拶は挨拶ではない」もある。

ビジネスにおいても、日常生活においても、相手との見解の違いが生じて起こりうるトラブルは後を絶たないものかもしれない。
できればトラブルなんてものは避けて通りたい。
それも人間関係におけるトラブルは誰しも嫌なものである。

こういったことが起こる原因は、2つ考えられます。1つめは“聞く力の過信”、2つめは“解釈の違い”です。(P18)

なるほどなるほど。
どちらも日常生活で想定できることだ。

我が家を例にしてみる。
私は部外者という設定

妻:「いくらお祭りだからって、早く帰って来なさいよ。」
娘:「分かったぁ〜行ってきまぁす!」
(21時に娘が帰宅)
妻:「何時だと思ってるの!早く帰ってきなさいって言ったよね?」
娘:「は?まだ9時じゃん!何言ってんの?」

どこの家庭でもあるのではないだろうか?
家庭内ですらあるのだから、社会生活を送る上では日々こんなトラブルは当然のごとく起こりうるだろう。
できれば避けたい。そしていい人間関係を作りたいものである。

人は誰しも、人生経験が違います。受け取った言葉から、あれこれ自分なりの解釈で物事を考えます。
ですから、「相手は自分とは違うことを想像するかもしれない」という前提で、伝えなくてはなりません。お互いの解釈の違いを小さくする工夫が必要なのです。(P20)

目次

期待以上に人を動かす伝え方

前述の妻と娘のやり取りを例にしたが、何をどうすればよかったのだろう?
それを解決する方法がこの本に書かれてある。
期待以上に人を動かす伝え方/沖本るり子著(かんき出版)

「トラブルを避ける」といった消極的な目的だけではない。
見開きに大きな文字でこのようなことが書かれてある。
本書の大切な目的である。

「自分の考えをうまく伝えたい!」
「堂々と話せるようになりたい!」
そんな思いっを抱えている方は多いでしょう。
しかし、残念ながら、本書は
「伝わる」を目的にした本ではありません。
人に思いを伝えたいだけの方には、
本書はおすすめできません。
「伝わる」だけでは、意味がないのです。


「伝える」ことこそ大切で、正しく「伝える」ために文章の練習をしたり、SNSを楽しんだりしているが、それだけでは意味がないと断言している。
では一体全体、何が大切なのだろうか?
読み進めることとする。

相手が話を聞いてくれても、それであなたの意図が伝わったとしても、相手が期待通りに行動してくれなければ意味がありません。(P4)

ということだ。
「伝わった」先にあるのが、「相手を動かす」ということである。

確かに、相手が期待通りに行動してくれて初めて成果がでる。
そのためにはいくつかのコツを意識するだけでいいと、書かれてある。

ダメな例と、「伝えたつもり」から抜け出す伝え方

CHAPTER2では、7つのダメな例が挙げられている。
目次だけ紹介する。耳が痛くなる例もあるのでサラリと流したくなった。

1 「伝えているつもり」の原因とは?
2 不意打ちで言いたいことを話す
3 1文が長い
4 思いつくまま話す
5 ダラダラと話す
6 淡々と同じ調子で話し続ける
7 小難しい言葉を使う

これらから抜け出すためには以下のことに気をつけるといい。
要点だけ抜き出す。

1 初めに何を伝えるかを宣言する
2 1つの文で伝えることは1つだけ
3 話の構成に「枠」を活用して論理的に伝える
4 句読点を意識する
5 相手に期待させる「間」を入れる
6 カタカナ語と専門用語は使わない

私もこねくり回したような長い文を書いていた時代もあった。
思いついた言葉を文字にしたり言葉にしたり、ともすると文がねじれたり、主語と述語が噛み合ってなかったものがたくさんあったと思う。
最近は「いかに正しく伝えるか」を意識しているので、極力1文を短くしている。

カタカナ語…
職業がカイロプラクター、趣味はブログ、楽しみはフェイスブック、持っているのはスマホなのはお許しいただきたい(笑)

人が動き出す伝え方

CHAPTER3では11のコツが紹介されている。
中でも
11 説得するのではなく納得してもらう
この項目が私にとって大切なので紹介させてもらう。

説き伏せられていると思うと自発的に動く気は失せますが、納得感があると聞き手の気持ちは前向きになるため、期待以上に動いてくれやすくなるのです。(P100)

親子関係ではよくある場面を想像してみる。
威圧的に「勉強しなさい!」などと説き伏せようとして、「よし!頑張って勉強するぞ!」と動く子どもなんて見たことがない。
「勉強しないとお父さんみたいになるよ」と説得しても、「お父さんの子だから勉強したくないんだよ!」と反抗されるのは火を見るよりも明らかである。

本を読んだり、好きな人(著名人、尊敬する人、好きな先生や先輩など)の話を聞いて、進むべき進路に向けて目標が立ち、自分で納得したのなら自ら進んで勉強するものである。
勉強に限らず自発的に何かをやるときには、何らかの形で納得して行動している。

「自発的に」を引き出す言葉を相手に投げかけるのが、人を動かすのにとても大切な要素だと学べた。

あやふやな言葉では相手は動かない

1 どうすればいいか言わない
2 「お手すきのとき」と言う
3 量を言葉で伝える
4 質問系や、「もし」を使う
5 なんどもやりとりする前提
6 自分の思いを語る
7 無駄な言葉を繰り返す
8 時間を過ぎても止まらない
9 自分の得で考える
10 説得しようとする

自信を持った言葉だと相手は動き出す

1 動きの1文を最初に発信する
2 期限を入れる
3 ものさしは同じ寸法、数字で語る
4 仲間に引き込む
5 交渉を前提にしない
6 言いきりで納得度を上げる
7 同じ言葉は何度も使わない
8 短く話す
9 相手軸で話す
10 説得するのではなく納得してもらう

これは目からうろこ!相手に否定的な言葉を言わせない

「謙遜」は日本人の美徳の一つとされてきた。
褒められると「いえいえ…」と言ってしまう。
逆の立場であれば、褒めたら相手は「いえいえ…」と謙遜することが予想される。

この謙遜する言葉が、結果的に「相手に否定的な言葉」を言わせてるのだ。

否定の言葉は、発した本人の耳にも入り、無意識のうちに相手の感情をマイナスにしてしまいます。(P126)

なるほど!を100回言いたくなった一文だ。

主語を「あなた(の●●)」、ではなく「私」に変えれば、相手は否定的な言葉で返さなくても済みます。
「YOU(あなた)メッセージ」から「I(私)メッセージ」に変えましょう。(P127)

これは少し意識するだけでできることなので、会話に取り込んでみようと思う。
例文も掲載されているので、すぐに理解できる。

「かわいいブローチですね!」

「私も、そういうデザインのブローチが欲しいな」

「カッコいいカバンですね!」

「私も、こんなカバンが好きだなぁ」

「きれいな字ですね!」

「あなたのような字が私も書けたらいいんだけど……」

褒める意図を持って下段の言葉を言われたら、謙遜としての否定語は言えなくなるので、感情をマイナスにしなくても済む。
本当にこれは役に立つ項目である。

まとめ

読む人によっては、私が紹介したところ以外の箇所が大いに役に立つ。

予約の取り方など、もっとスムーズにできるのに…と思うことが毎日のようにある。
「空いてる時間ありますか?」などがそれ。

「本日ですと午前11時と午後6時に空きがございます」と答えた後に、「明日なんですけど」とお返事があればまた振り出しに戻る。

さらに、
「明日ですと、午後4時はいかがでしょうか?」と答えると、「仕事が終わるのが6時半なんです。」とお返事があるとまたまた振り出しに戻る。
このようなやりとりが大好きならば、いくらでもお付き合いしますが、本音のところは嫌だ(笑)

カイロプラクティック院でも美容室でも、お客様が来れる時間帯を教えてくれたら一つのお返事だけで済む。
「今日の10時から13時の間で空いてますか?」と尋ねられたら、「11時にどうぞ。お待ちしております。」と早い。

人間関係を良好に保つためにも、時間を有効に使うためにも、
さらには仕事がうまくいくためにも、ぜひとも読んで「人を動かす伝え方」をマスターしたいものだ。

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アゴラ 言論プラットフォームにて取り上げていただきました。(2018年1月23日)
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メディア掲載②

グノシーで取り上げていただきました。そしてランキング1位(2018年1月23日)
https://goo.gl/AKMcNC

メディア掲載③

Yahoo!ニュースで取り上げていただきました。(2018年1月24日)
https://goo.gl/wpNsxf

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