深呼吸で風邪を予防する

健康の維持、向上のために「腹式呼吸」が推奨されています。私もその意見には大いに賛成です。
深くて大きな呼吸ができないと、自律神経の働きが悪くなり、免疫力が低下して風邪をひきやすくなります。

Googleで「腹式呼吸」と検索すると約21,700,000件もヒットします。

動画やサイトを見ると、数々の「腹式呼吸法」のやり方や意義などを知ることができます。
「腹式呼吸」は有効であり、大切なのだと再認識する次第です。

たくさんあるということは、斜めから見ると、「一定のトレーニング」が必要なものだということでしょう。
つまり、「意識しないとできない、ちょっと難しい」呼吸法の一つだと考えます。

要するに、肺が大きくふくらんで、たっぷりの空気が体に入ってくればいいのではないでしょうか。
だとしたら、腹式呼吸のトレーニングはいずれチャレンジするとして、まずは大きな呼吸をしてみればいいと思います。胸式呼吸が健康に悪いとは聞いたことがないので、普通の呼吸なのでしょう。

腹式呼吸はトレーンング次第でできる健康的な呼吸法
胸式呼吸は普通の呼吸
このように思えば少しは気が楽になるのではないでしょうか。

だとしたら、意識せずにやっている普段の呼吸（胸式呼吸）の質を少し上げればいいのです。

一旦腹式呼吸のことは忘れて、いつもの呼吸を少し工夫してみましょう。

拙書『ねこ背を治す教科書』には基本のストレッチが６種類紹介されています。
そのうちの一つが『１回だけの胸式呼吸』です。

まずはやってみましょう。

普段の呼吸での「吐く」から、さらに息を「吐ききる」ようにします。

普段の呼吸の「吸う」から、さらにさらに息を吸って胸がパンパンになるまで息を吸い込むようにします。

胸に手を当てて、胸郭が膨らんでからしぼむまでの動きをチェックします。大きな差が出てくれば大成功。

呼吸が大きく深くできると健康にも良い影響が出てきます。
・運動能力の向上
・集中力を高める
・自律神経系の向上
・リフレッシュ

中でも「自律神経系の向上」は、風邪の予防にはなくてはならないものです。

自律神経は、自分ではコントロールできない体の機能です。
汗をかいたり、脈拍を上げたり、体温を上昇させたりは、意思とは関係なく体が勝手にやってくれています。
ただし、唯一、「呼吸」だけは自分でコントロールすることができます。
息を止めたり、大きく吸ったり吐いたりは「やろうと思えばできる」のです。

自律神経は交感神経と副交感神経に分けられます。
戦う、逃げる、興奮する、などは交感神経の働きで血圧や心拍数を上げるのに役立ちます。
寝る、リラックスする、などは副交感神経の働きで血圧や心拍数を下げるのに役立ちます。

風邪の予防や治療には、副交感神経がしっかりと働くことが大切です。
副交感神経がしっかりと働いて、たっぷりと良質な睡眠を取ることで、免疫力が上がります。
その結果、風邪を予防したり、ひいてしまった風邪が治ったりするのです。

予防のためには、日中にしっかりと交感神経を働かせ、夜には副交感神経を働かせて免疫力を高めることが有効です。

「副交感神経を優位にすればいいのか。じゃあずっと寝てよう」と考えるのは短絡的すぎます。
予防のためであれば、日中には適度な運動をして交感神経を働かせましょう。それが結果的に睡眠時の副交感神経を優位にすることに繋がります。

腹式呼吸を難しいと感じるならば、まずはいつもの普通の呼吸（胸式呼吸）の質を上げて、大きくたっぷりと空気を吸う体づくりをしていきましょう。

胸式呼吸で胸をいっぱいいっぱい広げるのもストレッチの一つとして、1日に１回でもやってみることが大切です。

あまりにもストレッチ習慣がなさすぎて、大きな胸式呼吸もままならない人も少なくありません。
当院ではそのような方のために、施術の最後には呼吸を楽にする施術を行なっています。
時間にして１分ほどです。

あっという間に大きな呼吸ができる施術がありますので、呼吸のお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
※肺に疾患がある場合は、主治医の指導に従うようにしてください。

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