そもそも文章ってどう書けばいいんですか?/山口拓朗著/日本実業出版社

書評

目次

「そもそも文章ってどう書けばいいんですか?」

長野でも出版記念講演会をしてくれた山口拓朗さんの新刊。
そもそも文章ってどう書けばいいんですか?
山口拓朗著/日本実業出版社
表紙はモロに漫画本ですね。
書店で思わず手に取ってパラパラ見たくなります。

そしてこの著書のタイトル。
「あーもうっ!どう書けばいいかわかんない!」と文章を書くことに対して、頭を抱えて悩んでいる人の心の声そのものではありませんか。

本書で得たことの一部を、私なりのアウトプットで紹介をしていきます。

イチブンイチギ?

モジャ先輩
「文章を書くときには、先を急ぎすぎないこと。ひとつ伝えてから、慌てずに次の情報を伝えればOKだ。あれこれ盛り込みすぎた一文は、読む人にとって迷惑でしかないから。」

モモ
「てっきり一文が長い方が“デキる文章”なのかと思ってた」
(P25)

「あるある」ではないでしょうか?
一文が短い文章は幼稚、長い文章が書けてこそ大人と思っていませんでしょうか?
文章を書くことは、「伝える」ことです。
長々と書いた文章でも、読む人が理解できればいいのですが、残念ながらそうならないことも多々あります。

・主語と述語がねじれる
・主語と述語が離れる
などのリスクも生まれやすくなります。

豊富な例文

残念なダメ文章が、いくつかの手順を踏むことで、分かりやすくしっかりとした文章に成長する過程が理解できます。

本書では、会社内で懇親会を開催する案内文が、モジャ先輩の指導により見違えるような案内文に変化する様子が、手に取るように分かります。これに2章丸ごと費やされています。なんて具体的な解説でしょうか。

【原文】

社員各位

お疲れ様です。北川桃果です。
再来週の金曜日に業績報告を兼ねた社内懇親会を予定していますので、会場はいつもの駅前レストランになりますが、万障お繰り合わせのうえ、ご参加いただけますようお願いいたします。
つきましては、出欠をご連絡ください。懇親会の時間は19時スタートです。よろしくお願いいたします。

ここから5回の修正がなされて、こんなに立派な案内文が出来上がりました。

【修正文5】

10月4日(金)に
業務報告を兼ねた社内懇親会を行います。

万障お繰り合わせのうえ、
ご参加いただけますようお願いいたします。

つきましては、9月27日(金)の17時までに出欠をご返信ください。

〈社内懇親会詳細〉
会場:「ベジスムー」(田町駅前立花ビル1階)
地図:bejizumu.com/access.xxxxx
時間:19時〜21時
参加費:4000円

〈耳寄り情報!〉
ちなみに、今回は、いまが旬の岩手県産の高級松茸ごはんが出ます!
お酒と一緒に、松茸の豊かな香りと風味を楽しみましょう。

どうですか?
修正5の文章だと、他の用事をキャンセルしてでも行きたくなりませんか?
このように、「ただの」案内文が断然魅力的な案内文に成長します。
会社内で、このような案内文が書けたら、本業もしっかりと任されるようになることでしょう。

本書の魅力

誰もが「やっちゃいがち」な、ダメ文章のお手本からスタートし、文章作成指導を受け、誰もが理解でき、さらには相手への気遣いまでもが潜む文章に成長する例文が豊富です。

漫画で導入部分に興味を持たせ、シナリオ形式で解説がなされているので、堅苦しくなく読み進めることができます。
ダメ文章が素晴らしい文章に成長する過程を読むことで、自分の文章も自分で良くすることができると思いました。

文章を書くことは人生の豊かさを創造する

プライベートでの人間関係を含め、人生の豊かさも大きく変化します。(はじめに)

「文章を書く」行為は、「思いを伝える」こと。
「思う」ことそのものも、頭の中で文章を組み立ててこそ成り立ちます。
感情をうまく文章にできないから、小さな子どもはカンシャクを起こします。
「(お腹が空いて我慢できない。今すぐに肉まん食べたいんだよ!だから買って)」をうまく言えないから、コンビニのレジ近くで「かって!かって!」と駄々をこねるのです。

大きくなってうまく文章を作ることができるようになると、「お腹減った。肉まん買って!」とカンシャクを起こさずに言えるのです。

SNSでもブログでも自治会のお便りでも、上手に文章を書くことができれば人間関係がうまくいきます。
「何を書いてるのか分からない」←誰も読まなくなります
「不親切な文章だ」←何かが抜けていて二重三重に連絡が必要となり面倒くさい
「で、結局なんなの?」←ヽ(・д・)ノ バーカ♪と思われる

文章を書けないと、伝えたいことが伝わらない人生になります。
これはかなりの不利益になるのではないでしょうか。

文章を書くことができれば、きっとあなたの人生も豊かになることでしょう。
ぜひ読んで、実践していただきたい一冊です。

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この書評を書いたのは、『ねこ背を治す教科書』の著者、伊東稔です。

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伊東 稔

伊東稔/Minoru ITO 骨盤矯正と姿勢改善の専門家 カイロプラクティック伊東(長野市)院長 兼業主夫でもあり料理好き 『ねこ背を治す教科書』著者 http://amzn.to/2qB9VS2

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