紙の国語辞典も持っているが、瞬時に言葉の意味を知ることができる利便性からweblioをよく使う。weblioをよく使うというより、Google Chromeで検索すると上位に来ているので真っ先に見る。
言葉の意味だけでなく、「なぜ自分がこんな気持ちになったのか」まで知りたい欲が湧いた時には調べるに限る。今回は「っす」について調べた。
目次
「っす」
っす
出典:『Wiktionary』 (2011/06/07 12:12 UTC 版)助詞
口語の丁寧語の終助詞。聞き手に対する敬意を示す。知的なイメージは無い。だの場合は、これを取って名詞に直接つける。
知ってるっす。
俺のもんっす。
すぐ来るっすよ。
語源
ですの変化。
「っす」愛好家には誠に申し訳ないが、ここまで調べて書いて気持ち悪くなって来た。
「っす」が広まった背景を勝手に推測する
バカっぽい言葉遣いだが、見聞きして意味が通じないことはない。頭の悪い人が脳みそをひねりまくってやっとこさ敬語を使った新日本語だ。イメージとしたら脳みそまで筋肉でできているような人が、相手に敬意を評して使っていそうだ。皇族がたや総理大臣、裁判所の所長、県知事などが例えプライベートでも使っているイメージは湧かない。
整理してみる
・まだまだ社会経験の浅い若者が使う
・考えなくても一定の法則で「敬語使ってます」的な法則を自己流でやっちまった人が使う
・立場が同じ、あるいは弱い人に向けては使わずに、上の立場の人に向かって使う
「っす」は敬語
「敬語」なるものを学校教育で学ぶ。本来であれば家庭や社会で自然に身についていたものであろうが、家庭でも社会でも敬語を正しく使う場面が減って来たのであろう。なかなか正しくきちんとした敬語を使うことなしに生活を送ることができる。ただし、上下関係の厳しさが色濃く存在する場面も無くなってはいないので、自ずと敬語を使わざるを得ない場面に遭遇する。「襟を正し、直立不動で」などの場面は皆無であろうが、学校などで歳が一つ上の人であったり、友達のお父さんに対してだったりすると「敬語を使わなければ」と意識する。普段から敬語に慣れ親しんで使いこなしていれば「っす」を用いること無しに言葉を発するのだろうが、如何せん「っす」愛好家は「っす」万能の法則に従って生きているので、他に敬語があることすらも知らないかもしれない。
いずれにせよ、「っす」愛好家は「敬語を使っている」という意識で「っす」を発していると思われる。敵意や悪意はない。
地域差
名作ドラマ「おしん」が「っす」ブームの火付け役との説もある。確かに「んだねっす(そうですね)」など、文末に「っす」がつくと丁寧な言葉を使っているように思われる。ではあるが、おしんは東北から東京までの地域のドラマである。当然流行するのは東北から関東一帯であろう。西日本では馴染みがない「っす」である。もし「っす」を語尾につけるとしたら、敬語ではなくちょっと小馬鹿にしたようなネタ扱いの表現であるので、その空気感に注意が必要だ。
大阪あたりだと、同様の意味を出そうとする時にどう表現するのか考えてみた。
知ってるっす。→知ってます。
俺のもんっす。→俺の(ん)です。
すぐ来るっすよ。→すぐ来ますわ
あれ?なんかしっくり来ない。
やはり「っす」は広く使われてはいるが独特の表現なので、大阪弁にしてしっくり来ることはないのであろう。
「っす」をまとめた専門家の文章を発見
あちこちで「っす」に関することを調べていたら、こんな素晴らしい研究に出会った。これを読めば私のもやもや感がすっきりする。
きりしま ことば学
桐島周(まるよし)と遊び学ぶ、日本語と国語教育
http://railway.cocolog-nifty.com/kotoba/2010/12/post-645c1e.html
日本語と国語教育の専門家ですって。やはり専門家は深い!
この記事を書いた人の著書
『ねこ背を治す教科書』(伊東稔/ソーテック社)
伊東 稔
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