残念ながら、その文章では伝わりません/山口拓朗著/だいわ文庫

書評

目次

残念ながら、その文章では伝わりません/山口拓朗著/だいわ文庫

長野でも出版記念講演会をしてくれた山口拓朗さんの新刊。
残念ながら、その文章では伝わりません
インパクトがあり、伝えたい内容が一目でわかるタイトルです。

表紙

 

はじめに

大切なことは「はじめに」に凝縮されています。
「文章は数多く書くことで上手になる」のではないことを、知らなければなりません。
だらだらと長文を書くのが上手な文章ではないということ。
コツをつかんで数をこなしていくと、「伝わる」文章になることを、既刊本でも何度となく書かれていますね。

 

おわりに

私は「おわりに」を終わりに読みません。
なぜなら、「おわりに」にこそ、著者の気持ちがこもっているからです。
込めた気持ちを受け取ってから本文を読むと、理解が深まるからです。

読み手の誤解や誤読を招くケースや、トラブルが起きるケースも増えてきました。
その原因の大半が「伝わらない文章」にあります。

あるあるではないですか?
つい先日も、Facebookでチェーンメール騒動があったばかり。
ネットのリテラシーの不足以前のお話ですね。
「このメッセージ、何ですか?」と尋ねても、「わかりません」と答えながらも拡散をするのも、文章力を磨いていないからではないでしょうか。
書くことを磨くのは、読み方の訓練でもあると思います。

第1章 もっと早くわかりやすい文章を書く

もっと早くわかりやすい文章を書く

はじめは遅くてもいいと思います。
速く書いても、伝わらなければ意味がありません。
コツをつかんで書き続けることで、書くスピードはアップできますので、まずは「わかりやすい文章」を目指しましょう。
私の本、「ねこ背を治す教科書」のレビューの大半が、「わかりやすい」と書いていただいておりますので、「わかりやすい」文章は及第点をもらっているかと思います。
これってとても大切なことです。
偉そうな文章を書いても、「わかりにくい」文章はダメダメ文章の烙印が押されてしまいます。
精神科医でもあり、ベストセラー作家の樺沢紫苑先生も、私の本の感想でおっしゃってます。
「本はわかりやすいのが一番です。」と。

第2章 説明に困らない文章を書く

「明らかに納得できない文章」を書かない

たった1冊ですが、私が本を書いた経験からも納得です。
時として、原稿が意図しない編集をされることがあります。
私は一つの分野の専門家です。
編集さんは編集のプロですが、私の分野では「読者目線」です。
「ちょっと違うんじゃないかな」と思った箇所は、何度読み直しても納得ができないものです。
「これは◯◯です。」と説明を加えて、納得できる文章にした後は、とてもいい文章に成長しました。
著者と編集者がお互いに納得した文章になれば、最初よりかなり読みやすく理解しやすい文章になることを体験できました。
妥協せず、納得できる文章は、誰が読んでも「わかりやすい」ものに進化できるのです。

第3章 文章テンプレートを使って速く書く

文章テンプレートを使って速く書く

3、4ヶ月ほど前、原稿を作るときに役立ったのがこのテンプレートでした。
あれこれ試行錯誤しながら原稿を書いているだけだと、ひとつひとつの段落だけ読むといいのですが、全体を通して読むとガタガタして読みにくい文章になってしまいます。
音楽で言い換えると、ひとつの曲の中に3拍子と4拍子が混ざっているような感覚です。

ところが、テンプレートを使うと、はじめから終わりまで、すっきりとリズミカルに読める文章に成長します。
内容(コンテンツ)も大切ですが、すっきりと読みやすい文章にするためには、テンプレートこそ命だと言えましょう。

第4章 「うまい」と言われる文章のコツ

文章のコツ

ガラケー時代に絵文字が爆発的に使われるようになりました。
スマホ時代になっても、その名残をいつまでも使っている人がいます。
「、」や「。」を使いながら、顔文字に頼っていた部分を文章として表現できてこそ、大人の文章だと思います。

時としては「?」ですら、日本語の文章では違和感を感じます。
伝わる文章に成長すれば、「〜ですか。」でしっかりと伝わります。
ところが、常日頃から絵文字でことを済ませてしまっていると、残念な文章にしかなりません。
キラキラ感を表すのであれば、キラキラ感が伝わる文章を書く練習を積めばできます。
嬉しさを表すのであれば、嬉しさが伝わる文章を書けばいいのです。

もちろん、私もFacebookで日常生活の一コマを投稿するようなときには顔文字を使います。
どうでもいいと言えばどうでもいいことなので、
「⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾」
「(≧∀≦) 」
「(๑╹ڡ╹๑)」
こんなのを使います。
またはもっと便利なスタンプで済ませることもあります。

それはコミュニケーションの一つだと思いますので、
気持ちが伝われば十分だからです。

でも「うまい」と言われる文章を書くときには絵文字も顔文字も多用しません。
ひらがな、カタカナ、漢字、そして句読点で表すことができてこそ、うまい文章だと思っているからです。

そして、漢字ばかりにならないように気をつけています。
漢字や熟語だらけになると、返って読みにくい文章だと印象付けてしまうからです。
聞いてすぐに意味がわかる「和語」を多く使い、
聞いただけだと意味がわかりにくい「漢語」は少なめにしたいものです。

第5章 編集者も唸る文章を書く


文章で感動を産むのは内容だけではありません。
文章の表し方のコツも大切な要素です。

多くの人に何かを伝えたい、教えたいと思えば思うほど、ついつい小難しい言葉を使って「偉さ」的なものを醸し出そうとする時代もありました。
「◯◯たるもの、平易な文章を使っては恥ずかしい」と思いこんでいた時代です。

21世紀の現代では、もはやそのような感覚では伝えたいことも伝わりません。
「わかりやすく」「正しく」伝えてこそ、その人の価値も上がることでしょう。

いい文章を書くには、「正しいコツ」を身につけることが王道だと思います。

 

まとめ

やまたくさんの最新刊。
今回も文章術だけにとどまらず、
生きていく上で「身につけると生きやすくなる」コミュニケーション力もしっかりと盛り込まれていました。

小中学校の国語の授業に使ってもらいたい本だと思いました。

残念ながら、その文章では伝わりません (だいわ文庫 E 353-1)残念ながら、その文章では伝わりません (だいわ文庫 E 353-1)
山口 拓朗大和書房 2017-07-12
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伊東 稔

伊東稔/Minoru ITO 骨盤矯正と姿勢改善の専門家 カイロプラクティック伊東(長野市)院長 兼業主夫でもあり料理好き 『ねこ背を治す教科書』著者 http://amzn.to/2qB9VS2

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