あなたの文章が劇的に変わる5つの方法
尾藤克之著/三笠書房
目次
本書の特徴
国内有数のオピニオンサイトである「言論プラットフォーム・アゴラ」のオーサーとして、時事問題や書籍関連の記事を投稿しているコラムニストで、「Yahoo!ニュース」や「グノシー」で大人気の記事を書き続けているプロフェッショナル・ライターの尾藤克之さんが、その文章術を惜しみなく公開しています。
本書は4章から構成されています。
中でも1章には5つの極意が記されています。
小手先のテクニックではなく「極意」!
恐らく著者の尾藤さんが、最も伝えたかったことの基本中の基本だろうと思ったので、5つの極意が記載されている1章を掘り下げてアウトプットしました。
極意1 文章のゴールをはっきりと見極めるべし!
そして最も大事なのは、「自分が伝えたいことを相手にきちんと伝えること」なのです。
「うまく見せる」のは本来の目的ではありません。
綺麗な文章を書いても、「で、結局何が言いたいの?」と読み手に思わせては元も子もありません。
誰に、何を、なんの目的で、どう伝えるか。
文章には「読み手」が存在するので、自分本位のものだと役割と効果が発揮できません。
極意2 難解な言葉を使わず説明できる。それが文章のプロ。
この極意はとても納得です。
私は健康づくりのプロの端くれです。
そのために、日々お客様には平易で一回聞いただけで理解できる言葉を選んで喋っています
ブログやSNSでも同様です。
ともすると、専門家っぽく専門用語を使いたいこともありますが、小学生でも理解できる言葉にするように心がけています。
ひょっとしたら世界で一番専門用語を使わないカイロプラクターかもしれません。
お客様にとっては、難解な医学用語を聞きにきたのではありませんので、専門用語を使わない私の説明は分かりやすいと自負しております。
拙書『ねこ背を治す教科書(ソーテック社)』のAmazonレビューでも、「わかりやすい」と書いてくださる方がとても多いです。
常に気をつけていることを、文章を書くプロに褒められた気持ちになる嬉しい項です。
文章を読む立場から考えると、難解な言葉遣いをしている人をむしろ「こいつバカか?」と思うこともしばしばあります。
難解な言葉が羅列している長文は、「相手に理解してもらおう」とする気持ちが無いからです。
今どき、難しい言葉が並んでいるのを、「読み手がバカだから」と偉そうに書く文章なんて、心に響かずにバカにされることぐらい、中学生でも分かるでしょう。
読み手想いの文章を目指して、書くトレーニングはとても大切な日課であります。
手書きの文章が減り、パソコンやスマホで漢字を変換するのが容易な時代です。
「漢字にすることができるものは全て漢字にすべき」のような文章もよく目につきますが、読み方を検索しなければならないような漢字の多用は、迷惑な文章でしかありません。
ひらがなや簡単な漢字で容易に理解できる文章にする工夫も、最終的には「伝えたいことが伝わる文章」です。
ひらがなばかりでも、多すぎると読みにくいものです。
迷ったときは、見た目を重視!バランス感覚を働かせて変換するようにしましょう。
と書かれてあります。
つまるところがなく、スラスラと読めて分かりやすい文章が、最強だと思います。
極意3 鍵は文末にあり!文末変化でイメージはガラリと変わる!
極意3に関しては、強く意識をしたことがありませんでした。
どちらかと言うと私の文章は、「やわらかい」印象の言葉を選んで使っている方なので、「だ・である調」は少なく、「です・ます調」がほとんどだからです。
しかし、時と場合により「だ・である調」を書くことで重みや断定の意を伝える文章も書く必要があると感じました。
ーーーです。
ーーーです。
ーーーです。
「です・ます調」であっても、語尾がこのようになってしまうと、単調で平坦な文章になってしまいます。
ーーーました。
ーーーいます。
ーーーました。
同じ語尾を連続させないことで、文章にメリハリをつけることができます
メリハリのある文章は、平坦な文章よりも読みやすくクオリティーが上がります。
極意4 最低限の文法で、相手の理解度はより加速する!
たかが「て・に・を・は」、されど「て・に・を・は」と強く感じました。
①居酒屋に入った。「ビールがいいです」。
②居酒屋に入った。「ビールでいいです」。
言わずもがなですが、「が」と「で」の一文字変わるだけで、受ける印象がガラリと変わります。
何気なく使う言葉ですが、どう伝えたいのかを考えたら答えは出てきますね。
本書には、このような具体例がたくさん掲載していています。
ハッと気づく例文が随所にあるので、「ああ、自分の文章のクセだ!次から気をつけよう!」と気付かされます。
多用してはいけない◯◯詞
名詞を修飾する形容詞は、便利な言葉ですが、使い方によっては意味がわかるようなわからないような、ぼんやりした分になることもあります。
たとえば次のような文です。例
①私の上司はよい人です。
②風通しのよい組織です。
ありますあります。
会社の案内や、イベントの案内などで、ともするとツッコミどころ満載な形容詞。
例
・パソコンのことなら何でもお任せ。パソコンのトータルサポート◯◯ショップ
・キラキラ起業女子を応援します
・体のことなら何でもご相談ください
これらのぼんやり文を厚みがあり、表現を豊かにする方法は「具体的数値」だと書かれてあります。
わかったようなわからないような文から脱皮ができるだけで、その人自身の厚みや重みも増しますね。
極意5 心をつかむ「フック」に全力を傾けろ!
文章術の本を何冊も読んでいますが、「フック」という言葉で表現されたものは読んだことがありません。
それは
人前で話をするときなども同様ですが、文章でも読み手の心をつかむためには、つかみ、つまり文章のはじめに置くフックが大事です。
とのことです。
「あれ?」「何だろう、これは」と思えるような文章の始めという意味です。
確かに、いかに力を入れて頑張って文章を書いて見ても、切り出し口が凡庸としていては最後まで読まれないでしょうし、伝えたいことも伝えられません。
実にもったいないことです。
「タイトルと冒頭には、フックがかかるポイントを用意することに力を注げ」ということですね。
これは普段から文章を読むときに、「なぜこの文章を読んでいるのか」「なぜ読もうとしたのか」を意識すれば、読むのとは逆の立場、つまり書く立場になったときに使えます。
2章以降も魅力的な項目ばかり(太字は私のお気に入り)
ここまで、1章に書かれてある5つの極意を掘り下げてアウトプットしました。
2章以降の目次は次の通りです。
2章 これで伝わる!SNS、ブログでの一流文章術
・何より大事!相手に伝えるためにまず考えるべきこと
・SNSでも独りよがりの文章はNG
・プロが大事にする3つのポイント
・WEBサイトのコンセプトも考えよう
・SNS、ブログは短文が好まれる
・写真を使って想像力をかき立てる
・ブログは記事全体のデザインも考慮する
・絶対避けたいネタ切れを防止する必殺技
・自分を信じて文章を書く
・文章を読まれた後のことも考える
3章 ビジネスメールのセンスを上げる!ーデキる人の文章戦術
・ビジネスメールも身だしなみが大事!
・挨拶文をマスターしよう
・ビジネスメールに有効なクッション言葉
・流されないお誘いメールを目指そう
・ビジネスをスムーズに進めるためのメール術
・「忌み言葉」は大人の常識
・ビジネス文書の書き方の掟
・すぐに使えるビジネスフォーマット例
4章 プロ直伝+αの技!ー文章に磨きをかける技術
・読み手の琴線に触れるには?
・STEP1数字を使ってより具体的なイメージを
・STEP2問題提起で他人事から自分事に
・STEP3政治家のスピーチに学ぶ!あるあるネタ
・臨場感を高め、リアル感を出す
・「繰り返し効果」で説得力向上!
・表現に困った時の救世主
・さくっと書いて、じっくり読む
・さまざまな文章に触れてみる
・心が動いたら即座に、書く
まとめ
じっくりと読み終えた後には、この目次を見てるだけで常に良い文章が書けることでしょう。
文章を書くプロが、その技が出し惜しみせずに書かれてあるこの本は、文章を上達させたい人にぜひ読んでいただきたい一冊です。
あなたの文章が劇的に変わる5つの方法 (単行本) | |
尾藤 克之
三笠書房 2018-01-13 |
伊東 稔
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