『精神科医が見つけた 3つの幸福』樺沢紫苑著/飛鳥新社
目次
【今なら分かる、おばあちゃんの幸福】
私の息子が生まれた時、妻の祖母、息子からすると曽祖母が息子を抱きながらこう言いました。
「おめーはどこにも行かずに、ここでずーっと暮らすが幸せだぁ」と。
まだ若かった私は心の中でこう思いました。
「生まれたばかりのこの子の将来の、何を願ってここで暮らすのが幸せだと思うのか?この子の将来に口出ししないでもらいたい!」と。
今ならおばあちゃんの気持ちがよく分かります。
この子(私の息子)の幸せを願う言葉だけど、実はおばあちゃんが幸せを求める言葉だったのだと。
ご先祖様から受け継いだ田畑や家、お墓や仏壇を守ることこそが第一と生きてきたおばあちゃんですが、直系の子孫である孫(私の妻)以来28年ぶりの赤ちゃんを抱っこしたのです。
赤ちゃんを抱っこすると抱っこする側もされる側も「オキシトシン」が分泌されます。
オキシトシンの心身に及ぼす健康効果は素晴らしいので、ここに紹介します。
オキシトシンのすごい健康効果
1 愛のホルモン
「愛され感」「癒され感」「やすらぎ」
愛情の強化、母性行動、グループでの協調行動2 身体の健康
リラックス効果(血圧↓脈拍↓)
免疫力↑細胞修復↑自然治癒力↑
痛みの緩和、心臓疾患のリスク↓3 心の健康
ストレス解消効果(コルチゾール↓)
不安の減少(扁桃体の興奮抑制)
リラックス効果(副交感神経優位)、セロトニン↑4 脳の活性化
記憶力↑学習能力↑好奇心↑(P87より抜粋)
おばあちゃんは「何がなんでもご先祖様から受け継いだものを子孫にバトンタッチする」ために息子に「ここで暮らすのが一番幸せ」と言ったのではなく、「かわいい赤ちゃん、ずっとここにいてくれたら嬉しいな。ずっと抱っこしていたいな。」の意味で言ったのかも知れません。
【義父から学ぶ】
先日、介護老人保健施設に入っていた義父が急逝しました。
世間的には亡くなるにはまだまだ早い、早すぎる年齢でした。
3年前に義母が亡くなった(義母も若くして亡くなりました)あと「三回忌まではしっかりやってやらんとな」と言ってましたが、三回忌が済んでからどんどん健康状態が悪化し入院、入所を経て、一時健康状態が良好になりましたが認知症が進んでしまいました。
農作業が好きな義父でしたが、田を手放し、畑仕事も放棄してからは大して体を動かすこともなくなり、土を耕す喜び、収穫の喜びを得ることがなくなりました。
今思えば、「義母とする畑仕事」だったから楽しかったのでしょう。収穫した野菜を、義母が料理し、「なんだ、大根をこんなにでっかく切って不恰好だな」と軽口を言いながらの食卓こそが義父の幸せであり、健康維持の秘訣だったのでしょう。
早朝からの畑仕事で体を動かすとセロトニンが分泌されて健康的な生活の基本になっていたと思います。
セロトニン的幸福が失われると?
【一言で言うと】病気、調子が悪い苦しい、つらい、落ち込み、何もしたくない
感情が不安定、コントロールできない、不安、イライラ、怒りっぽい、キレやすい
体調が悪い、具合が悪い、身体が痛い、身体がだるい
集中力低下、注意散漫、仕事のパフォーマンスが低い
病気
生きている意味が感じられない、死にたい
(P44より抜粋)
義母との会話や触れ合い、交流により、オキシトシンが分泌されて、健康維持ができていたのでしょう。
オキシトシン的幸福が失われると
【一言で言うと】孤独、孤立寂しい、結婚できない、パートナーがいない、友達がいない
人間関係が苦しい、つらい、疎外感、パワハラ、仲間はずれ、いじめ
孤独、孤立無援、助けがない
(P53より抜粋)
まさに、パートナー(義母)を失ってからの義父がそうだったのではないかと思います。
コロナ禍で介護老人保健施設に面会に行けない状態が半年以上も続きました。オキシトシン的幸福を失ってしまう世情が最も人の健康を害するのではと思ってしまいます。
科学技術の発達、発展により、「会いたい人に会える」のが当たり前になってもらいたいと切に願いました。
【私の幸せ】
この春から娘が進学のために家を出ました。
息子はすでに家をでています。
妻は9ヶ月前から単身赴任中で、週末婚のような生活です。
我が家は夫婦二人きりの生活どころではなく、全員が一人暮らしです。
最初から一人なのと、家族が増えてから減って一人になるのでは大きく違います。いつも二人で食べていた食事が一人になるのは、なんとも味気ないものです。
家から出て新しい生活が始まったばかりの娘、赴任先で新しい仕事に打ち込む妻、一人暮らし5年目で充実した一人暮らし生活を満喫している息子、この3人と比べると、私は送り出す立場なので喪失感しかありません。
家族が家にいた時には、「夕飯に何を食べてもらったら喜ぶかな?」と食べる人のことを思って料理をしていました。
家族のためを思って料理をすることは、「オキシトシン的幸福」が手に入るそうです。義務で餌をやるのではなく、「喜んでもらいたい」と思っての料理がそれに相当します。
人に親切にするとオキシトシンが分泌され、「幸せ」を感じる。「心臓血管に対する健康効果」「免疫力アップ効果」「老化防止効果」が得られ、寿命も伸びてセロトニン的幸福が増える。
(P196より抜粋)
私にとっての料理は、「誰か(家族)のためにするもの」です。「おいしい」と言ってもらうためなら、時間も労力も全然お構いなしです。
世の中では「簡単」「時短」がもてはやされている一方、私は誰かのために時間も労力も使うことでオキシトシンが分泌されて、幸福感が得られているのだと感じました。
子どもたちが巣立ち、妻が単身赴任中の今、ますます料理を楽しむようになりました。動画をYouTubeに投稿したり、写真をインスタにアップしたりして楽しんでいます。家族のための料理だったのが、不特定多数の方の楽しみやお役に立つ料理になりつつあります。生きている限り、人には食べ物が必要です。生きるための最低限の行為が、楽しいものになれば誰もが幸せになれます。
一食入魂
(中略)
私は、1日の最後のポジティブ日記に「今日のランチはとてもおいしかった」という1行を書きたいのです。それは、間違いなく人生の幸福度を高めます。
(P360より抜粋)
おいしいものを食べること、おいしく食事をすることは、絶対!絶対!絶対に幸せになれるのです。
食事をおろそかにすることは、目の前の幸せをつかみ損ねる行為と言ってもいいでしょう。
食べ物の味そのものもあるでしょうが、誰かと楽しい時間を共有できるのも食事です。作る人と食べる人を結ぶのも食事です。
私はこれからも食事を大切にしたいと思います。
【ドーパミン的幸福】
ここまで書いてきたのは、セロトニン的幸福(心と体の健康)とオキシトシン的幸福(つながり・愛)です。
静的な幸福がこの2つです。
動的な幸福がこのドーパミン的幸福(成功・お金)です。
私は電話が嫌いです。
相手の都合などお構いなし、自分の都合を最優先にして人の時間を奪うのが電話とすら思っているほどです。
ところが、お客様やお問い合わせの「将来のお客様」からのお電話は私を瞬時に幸せにしてくれます。
現実的に、私はお客様がお支払いしてくださるお金で生活をしていますので、ご予約のお電話こそドーパミン的幸福です。
電話嫌いの人が電話を取ると、天国と地獄のどちらかが待っています。闇雲にかけまくっているくだらない営業電話だと地獄で、「予約したいのですが」とのお客様からのお電話だと天国です。
「お金になる」のは嬉しいことです。料金以上のサービスをご提供したいと思っています。
毎日、ジャンジャンとご予約のお電話が鳴るのを期待しています。
【やはり私はオキシトシン的幸福が好き】
ちょっとだけ私のドーパミン的幸福を述べましたが、それ以上に私を喜ばせてくれるのがオキシトシン的幸福なのです。
お金はもちろん大切ですし、いっぱい稼ぎたいのですが、「伊東さんにお願いしたい」と選んでもらって頼られるのが私の一番の幸せだと実感しています。
「頼られる」「期待される」ことのなんと嬉しいことでしょう。ますます嬉しさを増やしたいために、より良いサービスの提供を心がけるようになります。
より良いサービスのご提供を心がけをしていると、いつの日にかご家族やお友達をご紹介いただいたりし、ドーパミン的幸福にもつながります。
整体師&カイロプラクターなので多少なりとも、いやほとんどの時間を、ひと様の身体に触れて健康増進のお手伝いをします。よほどお互いに「生理的にムリ!」と思わない限りは、私の手のひらがお客様に触れることでスキンシップが生じます。施術が終わるとお客様からは「スッキリしました」と言われることが少なくありません。
お客様の「スッキリしました」と同じぐらい、実は私も「スッキリしました」な状態になっているのです。施術中は、手のひらを通じて私の血流が促進され、適度な運動にもなります。またその場で猫背が改善されたとか、痛みが消えたとか、重い体が動き出したとか、目で見てわかる効果がお互いに確認できるので幸福感に包まれます。「お客様は神様です」を日々実感しています。
【ありがとう】
今日も朝、目覚めることができました。
昨日と大して変わることのない一日の始まりです。
これを幸せと呼ばずして、何を幸せと呼びましょうか。
死んでしまっては、あるいは大病や大怪我をしていたら、朝の目覚めが感じられません。
「普通に目覚めることができた」のは、私を生んでくれた両親のお陰でもありますし、昨日までの生活で関わった方々のお陰でもあります。
人、モノ、は言うに及ばず、地球や宇宙にまでつながりを考えたら、あらゆるコトとモノに感謝せずにはいられません。
幸福について、具体的に分かりやすく教えてくれ、多くの気づきを得られたこの本にも感謝します。
ありがとうございます。
『精神科医が見つけた 3つの幸福』
樺沢紫苑著/飛鳥新社
【おまけ】
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