精神科医が教えるストレスフリー超大全/樺沢紫苑著/ダイヤモンド社

健康全般

誰もが心身の悩みや不安(つまり「ストレス」)を抱えて生きています。
そして誰もが心身の健康(つまり「ストレスフリー」)を願います。

人は病気になれば病院で診察、検査、治療をし、回復に向け適切な処置をします。
時にはネットで調べたり、本を読んだりして予防をしたり、回復に向けての活動をします。

人は仕事でうまくいかないことがあれば、解決策を探しネットで調べたり本を読んだりしてうまくいくようにするでしょう。

病気にせよ、仕事にせよ、はたまた人間関係にせよ、「人生のあらゆる『悩み・不安・疲れ』をなくすためのリスト」が本書なのです。その悩み・不安・疲れを「ストレス」と表現し、それをしなやかに受け流す方法が実に詳細に書かれています。

本書は、人が抱える様々な悩みや不安を解決するための処方箋であり、治療方針であり、アドバイスであり指南書であります。

死にたくなるほどの深刻な悩みを抱えている人はもちろんの事、心身の状態が本調子でない人も、そして今は調子が悪くない人も、目次だけでも読んでおくことをお勧めします。

【本書の有効な使い方】

まずはストレスについて知りましょう。
いいストレスと悪いそれとがあり、どう付き合って生きていくのがいいのかを知りましょう。

目次に目を通し、今の自分に必要な項目を探しましょう。
ひょっとしたら、自分の状態に気づいていないこともあるでしょう。でも何か引っ掛かったのならば、すぐにそのページに飛びましょう。

「◯◯の対処法」が知りたくてそのページに行ったのならば、ファクト(事実)が客観的そして論理的、医学的、科学的に書かれてあります。

「へえ〜。そうなんだ」と素直に読み進めましょう。この時に理解を深めておくと、対処法がよりいっそう有効になります。

一つの事実に対し、一つ二つのToDo(やるべきこと)が書かれてあります。そのどれもが、今すぐにでもできるように、具体的で実行しやすいことです。

さらに読み進めると、「さらに学びたい人は」のコーナーがあり、本書では紹介しきれなかった名著、良本の紹介がなされています。本書をきっかけとして気づきを得て、より深く学ぶためのヒントが紹介されているのです。

そこで紹介されている本には、難易度を表す星が一つ、二つ、三つと記載されているのでとても親切です。

また随所に古今東西の有名人の一言や、名著の一節が紹介されています。「やはり、それが真実だよね」と納得するものばかりです。

【幸福になるための道しるべ】

人間が幸福になるために必要なのは何か?
究極のところが述べられており、私が本書で一番好きなところです。
ここさえ押さえておけば、いかなる時でも幸せに近づくことができます。

・「健康」がベースになるセロトニン的幸福
・「心の安定化」をもたらすオキシトシン的幸福
・「最後に目指す」ドーパミン的幸福

大切なのは、健康がベースになるセロトニン的幸福で、これが得られなければ「安定した人間関係」も、社会的成功も得られないのです。

しっかりとしたセロトニン的幸福という土台があって初めて、人間関係と精神が安定するオキシトシン的幸福が得られ、その上に社会的成功や目標達成などのドーパミン的幸福が得られるのです。

がむしゃらに仕事をして成功するのはドーパミン的幸福ですが、やり方を間違えてしまうと心身の健康を損なってしまいます。過去に話題になったドリンク剤のCM「24時間戦えますか」などはその典型的なものでしょう。頑張れば得られますが、頑張りすぎると失うものも少なくないと理解しておくといいでしょう。

かつて、大手のメーカーで営業職に就いていた私は青白い顔色で、ガリガリに痩せており、不健康だったなと、フリーになり20年経って気づくことができました。

心と体が教えてくれたのでしょう。
「ドーパミン的幸福より、もっといい幸福があるよ」と。

家族や友人などの関係が希薄すぎると、うつ病や認知症などの発症リスクが高まります。スキンシップや会話などでオキシトシンが分泌されますので、家族や友人との語らいの時間は、ストレスの低下だけでなく、細胞の修復を促進したり、心臓血管系の病気のリスクも低減します。

遠く離れて暮らす母親や、息子ですが、電話やオンラインでの会話をするととても気分が良くなります。たわいもない会話ですが、一緒に暮らしていた時のことや近況報告をするだけでも、お互いにいい気分になれます。

これがオキシトシン的幸福だと実感します。
親が健在の人は、今すぐにでも親に電話やメールをしてあげて欲しいと願います。よほどひどい時間を共有していなければ、たいていの親は子どもの声を聞いただけで元気になるものです。

電話一つで親孝行ができるのですから、しない理由はありませんね。

一番大切なセロトニン的幸福を得る方法が、とてもシンプルに紹介されています。
1 朝散歩(朝日、リズム運動、咀嚼)
2 瞑想、座禅、マインドフルネス、腹式呼吸
3 笑顔

起床してから1時間以内に日の光を浴びて15分から30分の散歩をするだけで、セロトニンは活性化します。お勤めしている方なら、普通に通勤のために歩くだけで健康なのです。健康だからこそ、通勤できると言っても良いでしょう。

朝起きて、外に出て、「ああ、気持ちがいいなあ」と感じられることこそ、身近で大切な幸福を感じる一コマだと紹介されていますが、全くその通りだと思います。

【まとめ】

300ページを超える大作ではありますが、紹介されている一つ一つはどれもすぐに実践できることばかりです。

必要なところを目次で探して読むもよし、最初から最後まで「アウトプット前提」で読むのも良いでしょう。

医学的、科学的に書かれてありながら、一般の人向けに書かれてあるので、「わかりやすい心身の健康の指南書」と言い換えてもいいでしょう。

折にふれ、いつもは気にしなかったパートを読んで、新たに健康について考えるのもいいと思います。

ただ単に「心身の健康のための本」で片付けず、「幸せになるための本」と位置付けるといいでしょう。

大切なことは、読んだら一つずつ実践することです。できることをできる範囲んで実践していきましょう。

私も健康づくりに従事する一人ですが、すでにやっていることもあれば、まだまだ手付かずのところもあります。

一緒に読み、一緒に心身の健康を作る仲間が増えると嬉しいです。

【紹介した書籍はこちら】

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